補償コンサルタントとは?
私たちの日常生活に必要不可欠な、上下水道・電気・ガス・通信などのライフライン、憩いの場となる公園・遊歩道、人や車が行き来する道路・橋・高速道・有料道などの道路網、鉄道・バスなどの公共交通機関など、俗にインフラ(Infrastructure : 経済・産業・生活の基盤となるもの。社会資本)と言われるものは、国や、都道府県・市町村などの地方公共団体、ライフライン・各交通網の事業者が主体となり施行する、『公共事業』により成り立っています。
この公共事業の施工主は『起業者』と呼ばれ、事業に必要な建設用地の購入の他、建設用地に建物が建っている場合には、事業の支障とならないよう、建物を取り壊し、持ち主に別の土地へ移転してもらう必要が生じます。
この時に土地・建物の所有者が、公共事業によって今までのライフサイクルや生活を阻害され、不便を強いられる事がないように、公正かつ適正に、土地代・建物の撤去費・移転費などの『対価』を得る権利を持っています。この権利を持つ人・団体などを『権利者』と呼びます。
起業者がこの『対価』を権利者に支払う事を『補償』と言います。起業者の委託を受けて、土地や建物の現地調査・図面作成・積算(査定)などを行ない、誰もが正当な『補償』が受けられるよう、第三者としての観点に立ち公正な業務を進め、かつ、起業者が事業を円滑に施行できるようにサポートをするのが、『補償コンサルタント』という専門業者です。
補償コンサルタントの業務
上の図のように、起業者と補償コンサルタントは、お互い協力関係にあります。
建築・土木など専門技術が求められる場面では、コンサルタントは技術供与やアドバイスを行ない、かつ、様々な計算書や図面などを作成し、起業者が事業に専念できるようサポートします。
また、起業者の要請があれば、権利者との交渉に同行し、補償の内容説明を行うのも、補償コンサルタントの大事な業務の一つです。このように、補償コンサルタントは起業者と権利者との『仲介役』を務めており、事業をより円滑に進める役割があります。
ですから、補償コンサルタントには建築・土木など技術面はもちろんの事、税務・法律・行政手続や、コミュニケーション力・企画力・独創性など、多岐にわたる能力が求められます。